「この際だから、お前が俺の前職を知っているのかは聞かないことにしておく。お前なら、どんな手を使ってでも調べようと思ったことは調べるだろうからな。」
「あえて否定はしませんが、今回は普通に調べただけですからね?そこは勘違いしないでください。」
「普通に、ねぇ………。」
何でしょうか、このお前の言うことは胡散臭いみたいな表情と言い方は。
「本当に普通にですよ。普通に一条聖斗先生がアクアに在籍していた頃の記録を見ただけです。」
「それが普通じゃねぇんだよ。どうやったらそんな個人情報を見られるんだよ。」
たまたま一条聖斗先生が、たまたま私の経営するホストクラブ『アクア』にたまたま在籍していたから楽に調べることが出来ただけですし、普通に私のオーナーとしての権限を使って調べただけなんですが………。
見た感じ、一条聖斗先生は私がアクアのオーナーだもいうことを知らないようですね。
「え、聞きたいですか?」
「………いや、いい。」

