『どったの? なんかあったの?』
声だけしか聞こえないのに何故安心感を覚えてしまうのだろう。私は今まで我慢していた涙が溢れ出てきた。
『ちょ!? え、ごめん!?』
私でも分かる。慌てている。
「あのね、やっぱり嫌なんだ」
拭ってもなお頬を伝う涙。彼は無言で私の話に耳を傾ける。
「翔くんと、瑠輝君が、喧嘩してるの、嫌なんだ。私を好きで二人とも守ろうと必死なのは凄く嬉しい。でも喧嘩はして、欲しくない。矛盾してるのかな。我儘なのかな。好かれててそれに加えて仲良くして欲しいなんて…
私が悪いんだよ。小学生の時に瑠輝君の何かしらで傷付いちゃったから。そこで笑って解決出来れば、今気不味い空気になんてならなかったんだよ。全部、全部、私のせい。自分が嫌い」
最後のほうは涙声だった。震える声を振り絞って吐いた私の本音。きっと私は、怖いんだ。
『…そっか、辛いよね』
その一言しか言葉は貰ってないが、凄く気が楽になった気がする。
「なんか、ごめん。聞いてくれてありがと」
彼にお礼を言う。あんな言葉が返ってくるなんて思ってもみなかった。
『大丈夫だよ~てか君可愛いね? どっかの貴族様か何かかな? 今度僕と交わらない? その柔らかそうな身体抱かせてよ』
「丁重にお断り致します」
目の前に居たら五、六メートルは私の拳で吹っ飛んでたからね?
『あっそろそろ目覚めるよ。また会えたら』
「え? 目覚めるって──」
そこでぐらっと振らつく。そのまま私の身体はゆっくりと沈んでいき、気が付くと保健室のベッドに寝かされていた。天井は白い。辺りを見渡す。すると両サイドにベッドに突っ伏して寝る翔くんと瑠輝君の姿が確認できた。
「瑠輝君、翔くん、起きて」
彼らのがっちりとした肩を揺するも全く起きる気配なし。それどころか手を抱き枕か何かにされている。自分の招いたことなのだが妙に恥ずかしい。顔を赤く染めながら保健室に備え付けられている扉に目をやる。やってしまった。数十人の男子がこちらをじっと見つめていた。もう吐いてしまいそうな程に気持ち悪かった。だが私は完璧美少女である。優雅に、かつ笑顔に手を振ってその場をやり過ごした。誰かに褒めてもらいたいぐらいだ。
声だけしか聞こえないのに何故安心感を覚えてしまうのだろう。私は今まで我慢していた涙が溢れ出てきた。
『ちょ!? え、ごめん!?』
私でも分かる。慌てている。
「あのね、やっぱり嫌なんだ」
拭ってもなお頬を伝う涙。彼は無言で私の話に耳を傾ける。
「翔くんと、瑠輝君が、喧嘩してるの、嫌なんだ。私を好きで二人とも守ろうと必死なのは凄く嬉しい。でも喧嘩はして、欲しくない。矛盾してるのかな。我儘なのかな。好かれててそれに加えて仲良くして欲しいなんて…
私が悪いんだよ。小学生の時に瑠輝君の何かしらで傷付いちゃったから。そこで笑って解決出来れば、今気不味い空気になんてならなかったんだよ。全部、全部、私のせい。自分が嫌い」
最後のほうは涙声だった。震える声を振り絞って吐いた私の本音。きっと私は、怖いんだ。
『…そっか、辛いよね』
その一言しか言葉は貰ってないが、凄く気が楽になった気がする。
「なんか、ごめん。聞いてくれてありがと」
彼にお礼を言う。あんな言葉が返ってくるなんて思ってもみなかった。
『大丈夫だよ~てか君可愛いね? どっかの貴族様か何かかな? 今度僕と交わらない? その柔らかそうな身体抱かせてよ』
「丁重にお断り致します」
目の前に居たら五、六メートルは私の拳で吹っ飛んでたからね?
『あっそろそろ目覚めるよ。また会えたら』
「え? 目覚めるって──」
そこでぐらっと振らつく。そのまま私の身体はゆっくりと沈んでいき、気が付くと保健室のベッドに寝かされていた。天井は白い。辺りを見渡す。すると両サイドにベッドに突っ伏して寝る翔くんと瑠輝君の姿が確認できた。
「瑠輝君、翔くん、起きて」
彼らのがっちりとした肩を揺するも全く起きる気配なし。それどころか手を抱き枕か何かにされている。自分の招いたことなのだが妙に恥ずかしい。顔を赤く染めながら保健室に備え付けられている扉に目をやる。やってしまった。数十人の男子がこちらをじっと見つめていた。もう吐いてしまいそうな程に気持ち悪かった。だが私は完璧美少女である。優雅に、かつ笑顔に手を振ってその場をやり過ごした。誰かに褒めてもらいたいぐらいだ。
