「そっか、良かった。じゃあまた返事、出来るようになったら教えて。別にすぐじゃなくていいし来年になったって三年経ったって構わない。じっくり考えて僕の隣に立って欲しい」
そう、いつもの優しい口調で翔くんは言ってくれたけど何か申し訳なくて俯いてしまう。
「うん… 気付いてあげれなくて、すぐに返事出来なくてごめん。ちゃんと考えて返事するから待ってて」
毎回即振りするのだが今回は相手が相手。幼稚園の頃からずっと一緒だった翔くんからの告白はちゃんと考えたかった。
「了解。…な、言っただろ。会ってちょっとした奴と僕は違うんだ同じように言わないでくれ」
再び琉輝君を睨む翔くん。
「はぁ? お前そいつのこと知ってて言ってんのか? そいつは俺が自分を惚れさせるまで待っててくれるって言ってたんだぞ? 約束はどーしたんだよ、おい」
女子の視線に混じって琉輝君のジト目が私を捉える。
「そ、そうだけどっ、これとこれとは話が別でしょ?」
私は鈍いらしい。翔くんの気持ちなんか知らないで琉輝君と変な約束してまた迷惑を掛けそうになる。いつも完璧なのに恥ずかしい。
「お前な… 人の気持ち考えろよ。こっちだって真剣に向き合ってんだ。好きなんだ。だから曖昧にするなよ」
「っ! お前は本当に言ってるのか!? なんでまた好きになってるんだよ! もう忘れろよ! 雪姫ちゃんなんか捨てろよ! お前が釣り合う相手じゃないんだよ! もう、本当にやめてくれ… これ以上雪姫ちゃんを傷付けないでくれ、今は忘れてるだろうけど、思い出したら辛くなる」
また、この話。小学校の頃の話。私が知らない話。琉輝君と翔くんが知ってる話。私が思い出すと辛くなる話。でもそんな記憶はなくて考えると思い出すなって頭痛がして痛くて。濁った水の泥の中にでも沈んでしまったように探しても見つからない。
「ねぇ、なんの話なの? 前から言ってるけどそれ、絶対大事なことだよね? 私、覚えてない」
翔くんの袖口を引いてみる。が、翔くんは黙り込んでしまった。
「翔… くん?」
翔くんがおかしい。いつもの翔くんじゃない。
「ごめん、だけど僕が雪姫ちゃんに言えることじゃない。僕は雪姫ちゃんに辛い思いをさせたくないんだ、ごめん」
そう、いつもの優しい口調で翔くんは言ってくれたけど何か申し訳なくて俯いてしまう。
「うん… 気付いてあげれなくて、すぐに返事出来なくてごめん。ちゃんと考えて返事するから待ってて」
毎回即振りするのだが今回は相手が相手。幼稚園の頃からずっと一緒だった翔くんからの告白はちゃんと考えたかった。
「了解。…な、言っただろ。会ってちょっとした奴と僕は違うんだ同じように言わないでくれ」
再び琉輝君を睨む翔くん。
「はぁ? お前そいつのこと知ってて言ってんのか? そいつは俺が自分を惚れさせるまで待っててくれるって言ってたんだぞ? 約束はどーしたんだよ、おい」
女子の視線に混じって琉輝君のジト目が私を捉える。
「そ、そうだけどっ、これとこれとは話が別でしょ?」
私は鈍いらしい。翔くんの気持ちなんか知らないで琉輝君と変な約束してまた迷惑を掛けそうになる。いつも完璧なのに恥ずかしい。
「お前な… 人の気持ち考えろよ。こっちだって真剣に向き合ってんだ。好きなんだ。だから曖昧にするなよ」
「っ! お前は本当に言ってるのか!? なんでまた好きになってるんだよ! もう忘れろよ! 雪姫ちゃんなんか捨てろよ! お前が釣り合う相手じゃないんだよ! もう、本当にやめてくれ… これ以上雪姫ちゃんを傷付けないでくれ、今は忘れてるだろうけど、思い出したら辛くなる」
また、この話。小学校の頃の話。私が知らない話。琉輝君と翔くんが知ってる話。私が思い出すと辛くなる話。でもそんな記憶はなくて考えると思い出すなって頭痛がして痛くて。濁った水の泥の中にでも沈んでしまったように探しても見つからない。
「ねぇ、なんの話なの? 前から言ってるけどそれ、絶対大事なことだよね? 私、覚えてない」
翔くんの袖口を引いてみる。が、翔くんは黙り込んでしまった。
「翔… くん?」
翔くんがおかしい。いつもの翔くんじゃない。
「ごめん、だけど僕が雪姫ちゃんに言えることじゃない。僕は雪姫ちゃんに辛い思いをさせたくないんだ、ごめん」
