全部、先輩のせいです。

門を出て、しばらく梨沙と話しながら帰った。


二人とも電車通学で、途中まで一緒だ。


「ごめん、私今日こっちなんだ」


私は、いつもと違う電車を指差して言った。


「どうしたの?」

「いや、いつも通ってる図書館が工事してて。 別の図書館に行ってみようかなって」


私は毎日、部活が終わると図書館に直行する。

そこで勉強して、ちょっと本を読んで帰るのが日課だった。


「また勉強?えらいなぁ、羽花は」


別に偉くなんてない。

私にとって勉強は、ただの自己満足にしか過ぎない。


地味で静かで真面目で、なんて典型的なパターンの子が、
勉強できなかったらみんな、がっかりするでしょ?


そんな最悪な肩書きに「バカ」なんてレッテルを貼られたら、
私の居場所はなくなる。


だから、勉強をする。


「じゃあ、 バイバイ」

「バイバイ」



梨沙に手を振って、私は図書館に向かった。