「一回振られたぐらいで、何くよくよしてんのよ。そんなに好きなんだったら、
友達からでもなんでもいいから、前向いて進まないと」



強い中で何処か優しさを感じる梨沙の言葉は、
私に勇気を与えてくれる。


私だけじゃ気付かなかったものを、教えてくれる。



私だって、出来ることならそうしたい。





「そういう人じゃないと、太一先輩には釣り合わないと思うな」



その言葉は、消えかかってた私の心を熱くした。


そうだな、と思う。



ずっと片思いを貫いている太一先輩なんだから、私だって
それを貫いてやらないと。



貫けばいつか実と信じてる、太一先輩のように。



「ありがとう」



私は心に決めて立ち上がる。



「行ってらっしゃい」



梨沙の言葉を後ろに、私はさっき乗ろうとした電車とは
別の電車に乗る。



電車に揺られながら、改めて梨沙というの存在の大きさを感じる。



梨沙のおかげで、自分の気持ちに正直になれた。



____やっぱり、太一先輩に会いたいって。



ガタゴトとこの電車が進む道を、窓越しにじっと眺めていた。