全部、先輩のせいです。


「放課後、話あるから」



梨沙は、芯のある、しっかりとした声で言った。


ごくん、と息を呑む。


私と梨沙は、毎日一緒に帰っている。


それなのにわざわざそう言ったのは、きっと訳があるから。


というか、梨沙が今私に言いたいことなんて、私が一番よく分かってた。









「お待たせ」


靴箱の前で待っていると、トイレから梨沙が出て来る。


私達はいつものように二人並んで、校門を出た。


たわいない会話をしていると、お互いに本題に入るタイミングが
掴めなくて、結局駅まで着いてしまう。



「やっぱり、今日もこっちなの?」



梨沙は私が乗ろうとした電車を指差して、意味ありげな表情を浮かべた。


なんとなく気づいているんだろう。


私と、太一先輩の間で何かあったということを。



「うん」



私を、じっと見つめる梨沙。



梨沙になら話していい気がした。


もちろん、太一先輩の秘密をバラすことになる。


でも、梨沙に話せば何かが変わる気がして。


この、どうしようもない状況から。