全部、先輩のせいです。

「行く!絶対行く!」


嬉しくなって、つい大きな声が出る。


麻悠乃ちゃんも、楽しそうだった。


「よし。そうと決まれば、みんなを誘わなきゃね!」


そう言って麻悠乃ちゃんは立ち上がり、女子のグループの方へ
かけて行った。



それと入れ替わるように、梨沙が私の机の元へ来る。



「羽花が久しぶりに笑ってる」


「私、そんなに笑ってなかった?」


「うん、ずっと無表情だった」



私は、最近の私の表情を想像する。


確かにそうだったのかもしれない。



私、太一先輩に振られてから笑っていない気がする。


「良かった。笑ってくれて」



梨沙は、本当に心配してくれていたようだ。


なんだか申し訳ない。


でもこれは、たとえ相手が梨沙であっても、言ってはいけない気がするし、
私に言う勇気はなかった。



話したら、きっと泣いちゃう。



「あのね、麻悠乃ちゃんがね、夏休み、一緒に海行こうだって!」



子供のようにはしゃぐと、梨沙がぷっと吹き出した。