全部、先輩のせいです。

「所詮、一人ぼっちのやつは、ずっと一人ぼっちなんだよ」



明るくて、笑顔が素敵で、全校中のムードメーカーのような存在。


私には理解できないくらい、天真爛漫で、羞恥心のない
人なのだと思ってた。


そんな先輩の、素顔。


一人ぼっち。


私が、つくづく感じてきたことと同じ。


でもそれは、梨沙と、広貴と、太一先輩がいてくれてたから
大丈夫だった。


私も、太一先輩にとってのそんな存在になりたい。


私は今すぐ太一先輩を抱きしめて、私がいることを教えたかった。


でも、そんな勇気はなくて。


「太一先輩を必要としている人、たくさんいますよ。私だって、今
太一先輩がいなくなると困ります。太一先輩がいなくなると、
全校中の活気がなくなります」


私は太一先輩の目をじっと見つめた。



「たとえ、それが嘘であっても、ついた以上はそれを貫いてください。
私達は、太一先輩のこと、信じてますから」



自信なさげな、くよくよした先輩に伝えたいこと。


あなたは、変われたということ。

あなたは、必要だということ。


それを私に教えてくれたのは、太一先輩じゃないですか。


自分に自信のなかった私に、勇気をくれたのは。


だから、私はそれを太一先輩に返すことができた。


「ありがとう」