全部、先輩のせいです。





次の日、私は意を決して図書館に向かった。


昨日の太一先輩の姿が、どうしても気になってしょうがない。


本当の太一先輩を、知りたかった。


そのためには、直接聞いてみるしかない。


張り切りすぎたせいか、いつもより早く図書館に着いたけど、
太一先輩はいつもの時間まで来なかった。


太一先輩は、私が昨日、太一先輩を見かけたことを知らない。

いつものように、陽気に図書館のドアを開け、私に向かって
ウインクをしてきた。


でも、私はあまり笑えなかった。



「今日、元気ないね。何があったの」



うるうるとした純粋な目でそう言う、太一先輩を見ると、
昨日のことが全部夢だったのかと思う。


それもこれも、ちゃんと確かめるために。


私は、太一先輩を図書館の外へ連れ出した。


誰もいない、図書館裏。


着いてから、少し間を置いて言う。




「私、昨日、太一先輩を見ました」


それを聞いた太一先輩は、今までの笑顔を急に崩し、
どんどん青ざめていく。


そりゃあ、心当たりはあったはずだ。


やっぱり触れられたくないことだったのだろう。


それでも、ちゃんと知りたい。