全部、先輩のせいです。

「俺、太一って弱々しいイメージしかなかったからさー」

「そうそう、勉強だけはできるってゆーやつ?」



思わず、太一、という言葉に反応して振り向いてしまう。


まさかね。


そこまで太一先輩に執着している自分に驚く。


それでも、念のためあのグループをチラッと見た。



よく見ると、みんな同じ学ランを着ているように見えて、
1人だけ少し違う制服だった。


それは私達の高校の制服で、それが誰なのかはもう分かる。



「羽花?」



私は、その場に立ち尽くした。


何も見ていない梨沙が、心配そうに私を見る。



太一先輩だった。


あのチャラそうな男子達に囲まれて、弱々しく
愛想笑いを浮かべている男子。



私の知っている太一先輩じゃない。



私の中で何かが壊れていく。


どうして。


なんで。