全部、先輩のせいです。

ぷくっと頰を膨らませる梨沙は、可愛かった。


美術展は図書室で行われているみたいだ。

中には、沢山の絵が飾られていて、工芸品もある。


私達は、一つ一つの絵をじっくりと見ていった。


「羽花、これ見て」



梨沙がそう指差した作品を見る。


私は一瞬でその絵の虜になった。


独創的な世界観の中に、圧倒されるものが何かあって、
一言では言い表せないような。

周りの絵とは、明らかに違う雰囲気を醸し出していた。


作品の下に、名前と学年が書かれてある。


「菅野 怜 高3」



やっぱり。


私は、中学生の時から、菅野先輩のファンだった。


会ったこともないし、向こうは私のことを知らないだろうけど、
私はコンクールや美術展なので何度か先輩の絵を見てきた。


菅野先輩の絵は、私の絵とは正反対にある感じがして、
いつも圧巻する。


「あ、羽花の絵だ!」


そこから少し離れた場所に、私の絵と、その隣に
梨沙の絵があって。


「やっぱり、上手いね」

「梨沙の方が上手いよ」


《天真爛漫》


私はあのマングローブの絵に、そう題名をつけた。