全部、先輩のせいです。

それを聞いて、思い出した。


てっきり、太一先輩も電車に乗るのかと思っていたけど、
太一先輩は前、図書館の近くに住んでいると言っていた。


一緒に帰ろ、なんて言いながら私を送ってくれていたんだ。


そんな優しさに、ドキドキが止まらなかった。


「ありがとうございました」

「じゃあね、バイバイ」

「さようなら」


嬉しくなって、小さくだけど手を振ってみたりする。

太一先輩はちゃんとそれに気づいてくれて、大きく振り返してくれた。







「見てよ、羽花。すっごく美味しそう」


梨沙が、道端に並ぶ屋台を一つ一つ覗き込みながら
感嘆の声を上げる。


中学校の文化祭と聞いていたから、てっきりもっと
質素だと思ってた。


こんな時期に文化祭なんて珍しく、梨沙のテンションは高い。



今日は、梨沙と2人で例の美術展を見にきていた。


中学校の先生が主催しているので、美術展は、中学校の文化祭
催し物の一つとなっているらしい。


私達の住んでいる地域から少し離れた中学校なので、
私も梨沙もワクワクしていた。


「食べるのは後。まずは、絵見に行こうよ」

「そうだけどさ、お腹すくーー」

「我慢我慢」