全部、先輩のせいです。

心の奥にあった気持ちが、じわじわと温まってくる。

もう、限界だと思った。







テントも、パネルも、櫓も、飾りも。


全てが綺麗さっぱり片付けられた運動場を見ると、
今日1日がまるで夢だったかのように思える。


片付けが終わった後新川先輩は、太一先輩を体育倉庫に呼び出した。


私は付き添いとして、影でそっと見守ることにした。


ダメでもいいから、自分思いだけは伝えたいって、
新川先輩は言った。


借り人競争のことは、もう何も言われなかった。



「何してるの」


中々来ない太一先輩を待っていると、後ろからいきなり
声をかけられた。


広貴だ。


広貴は、倉庫の裏から正面を除きこみ、納得したような顔をする。


「新川先輩、告白するのか」


さも当たり前のように言った広貴に、驚く。


「どうして広貴がそれを…?」


「見てたら分かるんだよね、オレ。好きな人が誰か」


「何それ、怖い」


そんなことを言いながら、広貴は私の隣に座り込んだ。


どうやら、広貴も一緒に見るつもりらしい。