全部、先輩のせいです。

「っていうかさ、」


私の息遣いが大分落ち着いたのを見て、太一先輩が言う。


「羽花ちゃんって意外に負けず嫌いなんだね」


え、と聞き返すと、太一先輩は笑った。


「最後の方、疲れてるはずなのにめっちゃペース上がってたから。
負けないように頑張ってくれてるんだなって」


顔が赤くなる。


そんな風に思われていただなんて、恥ずかしかった。


そうしていると、テントの方から「ヒューヒュー」という
声が上がった。


みんな、何を見ているのだろうと辺りを見回す。


「あ、あれ」


太一先輩も同じことを思ったのか、グラウンドの中央に向かって
走ってくる男女を指差した。


次の走者がスタートとしたみたいだ。


しっかりと手を握って、顔を赤くしながら走る二人を見ると、
みんなが囃し立てているのはきっとこの二人のことだろう。


「おおー、清水と外川じゃん。あいつら、遂に付き合い始めたのか」



太一先輩によると、二人は前から、両思いという噂が広まってたらしい。


そんな二人が、手を繋いで走っていたから、あんなにみんなが
騒いでたみたいだ。