目は動物の命だと思っていたから、なんとか仕上がって良かった。


その時、私達が作業している部屋のドアが開いた。

また太一先輩かな、と思っていると、なんだか騒がしい。


「おーー!すげ〜!」

「やばくねぇ?」

「これ最優秀いけるっしょ」


そう言いながら入って来たのは、応援団の人達だった。

太一先輩が連れて来たようだ。


「応援の方は、一先ず仕上がったから。後はひたすら練習‼︎」


応援団長の飯岡先輩が私の方を向いて言った。

どう返したらいいかあたふたしていても、
飯岡先輩はちゃんと待ってくれる。


「お互い頑張りましょう」


言葉を選びに選んで発言する。


慣れない相手との会話は、いつもそうなってしまうので
間が空く。


でも、ここにいる人たちは、これまでの間、そんな私の性格を
指摘することなく接してくれた。


ちゃんと私にも、話しかけてくれた。


だから私、Aブロックで本当に良かった、って思うんだ。


鳥の羽の毛先の部分を塗っていた梨沙が、「できた!」と
声を上げた。


これで本当に、完成だ。


「完成しました」


そう言うと、応援団の人達がイェーイ!!と叫び回る。

私は無意識に太一先輩の顔を探す。

目があって、思わず笑みがこぼれた。