グッと、胸が締め付けられる。

その言葉に、その目に。


太一先輩は、私をジッと見つめて言った。


「俺、この絵を見た時思ったんだ。これなら、絶対最優秀取れるって。
俺が保証する。羽花ちゃんじゃないと、出来ないことなんだよ?」


言葉の一つ一つが、丁寧に胸に刺さっていく。


痛い。

でも、それを包み込む優しさが、きちんとケアしてくれる。


初めてだった。


こんなにも、自分のことを褒めてくれた人。

認めてくれた人。


“私にしか出来ないこと”


そんなことが、もしあるのなら。



「やっぱり、やらせてください」



かけてみたかった。

変わりたかった。


地味で静かで、何にも取り柄のない私から。


太一先輩が、ニッと微笑んだ。


「そう来なくっちゃ」



怖くて、新川先輩の顔を見ることはできなかった。


でも、決めたから。


自分の中にある最大限の、でもちっぽけな勇気を
放さないって。


こんなにも応援してくれる人がいるのならば、
その勇気で戦おうって。


視界の外側で、佐倉先輩も、新川先輩も認めてくれてる気がした。