全部、先輩のせいです。

「何か勘違いしてるのかもしれないけど、俺が羽花ちゃんの絵を
選んだのは、本当に、羽花ちゃんの絵が上手いと思ったから」


そこまで言われて、新川先輩は口を噤んだ。


さっきから、上手い、上手いと絶賛してくれるのは本当に嬉しい。

でも、新川先輩の気持ちを考えると可哀想で仕方がなかった。


こんな事になるのなら、本気で描くんじゃなかった。



「あの」


みんな視線が私に集まる。


「私、辞退したらダメですか?」


え、と太一先輩と広貴が声を上げた。


「元々、パネル委員だって、推薦されてなっただけなんで」



もしも私の図案が選ばれたとして、私はその絵の責任は取れないし、
的確な指示が出せるとも思えない。

先輩達の絵でだって、充分勝負できると思った。


えーー、とゴネる広貴。


その隣で、太一先輩が「羽花ちゃん」と言ってくる。



「逃げちゃダメ」