全部、先輩のせいです。

認めてくれて良かった。

締め付けられていたものが急に解けたことで、
急に選ばれたことへの喜びが湧いてくる。


頑張って良かった。


そう思った時、新川先輩が口を開いた。



「太一先輩と穂波さんって、どういうご関係なんですか」


冷然と、淡々としたその口調と、探るような目。



あ、この感覚知ってる。


勝手に勘違いされたまま、嫉妬されて、信用を失っていく。


___広貴の時と一緒だ。


「別にどういう関係でもないです。ただの知り合いです」

否定しなきゃ、と言う感情だけが先走る。


何の言わなくて、また前みたいに勘違いされたくないから。

せっかく仲良くなれた先輩と、上手くやっていきたいから。



「じゃあどうして、先輩は羽花ちゃんって呼んでるんですか」


新川先輩の声がどんどん大きくなっている。


どうして、と言われても。

昨日、先輩が勝手にそう呼び出しただけで…。



「別に俺は、誰とでも仲良くするよ。その中で、羽花ちゃんと
仲良くして悪いの?仲良くなったから、羽花ちゃんって呼んだらダメなの?」



いつもは馬鹿みたいなことばっかり言う太一先輩が、
落ち着いた口調で正論を言う。