全部、先輩のせいです。

気まずい空気を変えてくれたのは有り難いけど、
相変わらずこの人は空気を読めない。


どうして、火に油を注ぐようなことを言うんだろう。


益々佐倉先輩の顔色が変わった。


私は広貴を睨みつける。


「太一、どうして?何がいけなかったの?」


必死に太一先輩に聞く佐倉先輩は、本当に、何故私が選ばれたのか
分からない、という様子だった。


もちろん、私にも分からない。


太一先輩は、苦笑いを浮かべる。

どう答えたらいいか分からないようだった。


「そんなの、見たら分かるじゃないですか」


広貴が、また余計なことを言おうとする。


「二人とも、色や構成に工夫しているのは伝わってきます。でも、
画力は羽花が一番だし、羽花の絵が一番まとまって見えますよ」


その言葉に、佐倉先輩は言い返せないようだった。

というか、広貴はちょっと盛りすぎだと思う。


新川先輩は、相変わらず黙ったままだ。


昨日の新川先輩の言葉が気になって、申し訳なくなる。


「俺も広貴の言う通りだと思うんだ。予定通り、パネル委員長は
佐倉、そして色塗りは新川ちゃん中心で頑張って欲しい」


「……分かった。決めてたことだもんね、こんなところで
ぐだぐだしてらんないや」


佐倉先輩が、開き直って明るく笑ってくれて、ホッとする。