全部、先輩のせいです。

「どれにするかは決めた。でも、覚えておいて欲しいのは
どの絵も最高で、選ばれたものは俺の好みだったというだけだってこと」


太一先輩は優しいから、選ばれなかった人のためのフォローも
欠かさない。

きっと、新川先輩はそういうところが好きなんだろうな、と思った。


もっとも、私はそれ以前の、ガサツな性格が苦手なのだけれど。


「俺が一番いいなって思ったのは」


隣で、新川先輩が祈るように太一先輩を見つめている。

こういう人が、選ばれるべき人なんだなと感じた。


太一先輩は、並べられた三枚のうち、一枚を手に取った。


流石の私も、息を呑む。






「羽花ちゃんの絵。おめでとう!」




少しの間、沈黙が続いた。


自分が選ばれなかった事に困惑する佐倉先輩。


悔しそうに歯をくいしばる新川先輩。


自分が選ばれるなんて思っていなくて、状況の掴めない私。


そして、ニコニコしつつも、何も言えない太一先輩。



「羽花、やっぱ絵上手いなー」


そんな空気を壊したのは、丁度絵を見にきた広貴だった。