全部、先輩のせいです。

あの感じだと、新川先輩は他の人にはあまり
言ってないみたいだ。

こんな性格だから、誰かから相談されたり、秘密を言われたりって
いうのは珍しい。


信頼してくれてるんだな、と安心した。


昨日よりも遅かったからか、図書館の中は昨日以上に
ガラガラだった。


中を一通り一周してみても誰もいなくて、
今日は私一人、貸切のようだ。


前まで通ってた図書館ではこんな事ってなかったから、
この図書館は利用者数が少ないのだろう。


ちょっぴり寂しい。

何と無く、今日も太一先輩が居るような気がしていたから。



私は、予定通り色鉛筆と、図案を描いた紙を取り出す。



紙には、迫ってくるような構図で描かれた、火を吹く鳳凰。

立体感を出すために少し角度を斜めにして、顔の部分をアップにし、
画面一杯に力強さを出した。


我ながら、上手くかけた気がする。

後は、色を塗るだけだった。


色の重なり方、影、雰囲気に注意をしながら、30色の中から色を選んでいく。


時間も閉館時間に近づいてきて、8割型塗り終えたその時だった。



「スゲーー。めっちゃ上手いじゃん」