全部、先輩のせいです。

新川先輩に感心している右隣で、佐倉先輩の機嫌が
悪くなったのを察する。

私は、もう一度佐倉先輩の絵に目を移す。


新川先輩の言う通りだった。


「確かに、少しありきたりかもしれません……」


ただ新川先輩の意見に賛同しただけだというのに、
臆病な私は曖昧にそう言う。


佐倉先輩は、私達に喧嘩を売るような態度で言い放った。



「そんなの、二人は描けるわけ?」



そう言われて、私は佐倉先輩から目をそらす。

佐倉先輩より上手く描ける、という自信はなかった。


けれど、新川先輩は言った。


「それなら、3人でそれぞれ考えて来ません?」


私と佐倉先輩が首をかしげたので、新川先輩は続ける。


「鳳凰っていうモチーフはそのままで、一人一人が絵を描いてくるんです。
それを太一先輩に選んでもらったら、 公平じゃないですかね?」


なるほど、とまたもや感心する。


一人一人が考えてくる、というのは嫌じゃなかった。


元々考えるつもりでいたし、絵を描くのは好きだから。