全部、先輩のせいです。

紙には、右上の方向に飛び立とうとしている、赤い鳥が
描かれていた。


普通に上手い。


これでもう少し色塗りを工夫すれば、最優秀賞もいけるかもしれないと思った。

さすが、去年最優秀賞を取ったというだけあるな、と思った。


私は佐倉先輩に向かって、初めて本音を出した。


「上手いですね」


すると、佐倉先輩は嬉しそうに目を細めて言った。


「ありがとう。そう言って貰えて嬉しい。新川さんは、どう思う?」


見ると、新川先輩はまじまじと絵を見つめていた。



「普通すぎてつまらないかもしれないですね」



驚いて、私は新川先輩を見る。

まさか、新川先輩の口からそんな言葉が出てくるとは思わなかった。

私は勝手に、新川先輩は私に似ていると思っていた。


でも、このストレートなコメントと、真っ直ぐな目を見て、
そんな風に思っていたことが恥ずかしくなる。


この人は、しっかりと自分の意見を持っている。

私みたいに、優柔不断ではなかった。