体育祭の練習もまだ全然始まってないというのに、
体育祭実行委員会議は、翌日の放課後から行われた。


体育祭実行委員というのは、各クラスの応援団長、パネル長、そして
太一先輩のようなブロック長のことで、パネル長の私は当然その会議に出席しなければ
いけなかった。


会議なんて本当に大っ嫌い。

意見とか、案を出すのが苦手だから。


憂鬱な気持ちで会議室に向かう。


まずは全体で大まかな説明を受け、その後ブロックごとに分かれて
早速準備に取り掛かる、という流れだった。


会議室に入るのは初めてだ。

というか、もうこれ以降入る機会はないかもしれない。


まだ全然集まっていなくて、私は取り敢えず空いてある椅子に腰かけた。


すると、入口の方から大きな笑い声が聞こえた。

まあ、それが誰のものかなんて見なくても分かったけれど、
入口の先には太一先輩と広貴がいた。


「なんだ、羽花来てたのか。探したんだぞ?」


そう言いながら、広貴は私の隣に座った。


「探したって言われても。何も言われてなかったし」