全部、先輩のせいです。

「うちの学校の子じゃん!!」


そう言ったのは、分厚い表紙の本を抱えた、
太一先輩だった。



……最悪。



ああ、今日はなんてツイてないんだろう。

早くこの場から立ち去りたい。


そんな私の気持ちに気づきもしないで、太一先輩は
あの日のようにニッと笑った。

そして、いつものように自分勝手に話し出す。


「偶然だね。俺、君のこと知ってる!えっと……たしか……」



ちょっと驚いた。

太一先輩が私のことを知ってるなんて。

まさか、入学式の日のこと覚えてる……?



「前回のテストで1年生学年トップだった穂波さんだよね?」




太一先輩は、探るような目で私を見つめた。


「どうしてそれを……」


私が疑うような顔をしたせいか、太一先輩は自信満々に言った。


「広貴が自慢してたぜ。幼馴染がめっちゃ賢いんだって」