「なぁ、俺ら一緒に住まないか?」



酒で少し頬を紅くした土田は、真面目な顔でそう言った。


事態が飲み込めない俺は、とりあえず一つの言葉を発する。



「...は?」




「だから、一緒に住まないか?」




同じ言葉をもう一度言ってくれる土田。

お前、相変わらず優しいな。

でも悪い、その言葉の意味はわかってるんだ。



「いや、それはわかったけどさ

...なんで突然?」



「特に深い意味なんてないぞ...?
ただ、一緒に住みたいと思って」



「は、はぁ」


「なぁ、いいと思わないか!?
わざわざ約束しなくても毎日仕事が終わったら恋人に会えるんだぞ!?」



...それにははっきり言ってそそられるけどさ。



「あ、田嶋今、そそられるような顔したな?

相変わらず可愛いなぁ」



そう言って俺に抱きついてそのまま押し倒す土田。



「おいこら、俺はまだ飲み終わってねぇぞ」


「まぁまぁ、明日飲もうぜ」


「できるか!!」




そう言って俺は土田を押し退ける。


土田は俺より背が高いから重い。


押しのけるのにも一苦労だ。


...今度から筋トレした方がいいかもな...。



「あっ、田島は今のままでも充分引き締まってるからそのままでいいぞ?」


...


「お前は...エスパーかっ!」