「じゃあ、俺が出かけたの、愛想尽かしたからだと思ったの?」


思いっきり抱きつかれてる状態から後ろから抱きしめられる状態に変わったところで、土田がそう言ってきた。



「そう、だよ」



なんか改めて言われると恥ずかしい。愛想尽かしたのが勘違いだとわかった今は余計に。



「ふふ、可愛いなぁ田嶋
でも、どうにかしようとしてすぐに行動する所は男らしい。

もぉ~、田嶋好き!!」


「わかったから!!」



ギュッと抱きしめられて、誰に見られてるわけでもないのに恥ずかしくなる。



土田はガタイがいいから、後ろから抱きしめられると包み込まれてるみたいで、すごく安心する。



「そ、そういえば、なんでお前外行ったんだよ?」


「あぁ、ちょっとね~、受け取りに行こうと思って」


「は?何を?」



「一緒に住むのが無理だったらこれしかないなって思ったから」


「何の話だ?何取りに行こうとしてたんだよ」


「指輪」


「指輪ぁ!?」


「そ、指輪」



指輪って、あの指輪?


指につける輪っか??



「最近ちょっと周りの目が気になってきたから、一緒に住んで虫除けしようと思ったんだけど、とりあえず指輪。

まぁ、前から頼んであったんだけどね。
田嶋が寝てる間にサイズ測ってさ。」


「は?」


「田嶋に変な虫がつかないように、俺らの繋がりの証明したくて。」


「はぁ」



わかるような、わからないような。


とりあえず俺に変な虫はつかないだろ?



「田嶋、可愛いから心配」


「ふっざけんなよ、バカ!!」