だけどこれは仕方ない。


本当の事を言うと、那くんパパのせいだって思いたい…。



「幸…? お、怒ったか…?」

「怒ってはないよ…ないけど…」

「無理もねぇよなー幸」

「無理もないよね那くん」



……那くんパパが私たちに言った第一声。



『那が2年生になると同時にみんなで向こうに行くことになった!』



それを聞いた私たち2人は唖然とするしかなくて。


正確に言えば、言葉が出なかった。


いきなりすぎない? 急すぎるよね? もっと時間空けられなかったの?


――なんて。第三者の私が言えることじゃないから、どれも言葉には出来なかったんだけど…。


だけどきっと、那くんだって同じように思ってたんだと思う。


那くんパパの言葉を聞いた時、2人で顔を見合わせたから。


それと、私的にはもう一つ疑問があって。



「…ねぇ那くんパパ、どうして那くんママはこの前から話し合いにいないの?」



那くんママの事だから、2人で決めればいいんじゃない?とか言いそうだけど。


家族の問題をそんな風に片付けるとも思えないし…。


むしろ、私がここに座ってて那くんママが座っていないことが異様な光景だと思うんだけど…。