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「「……」」
「さ、幸?那? あんた達大丈夫?」
「「んー……」」
お母さんの心配をよそに、私と那くんは変わらずボーッとしてる。
心配そうなお母さんが視界に入ってるけど、正直今は声もかけられない。
今の私たちがこんな状態になっちゃったわけは、数時間前に遡る。
* * *
「「えぇっ!?」」
「……ふ、那にも幸にも、ほ、本当に悪いとは思ってるんだぞ…っ!?」
「いや、父さん…それならもう少し頑張ってくれても良かったんじゃ……」
「……っ…」
「すまん……」
那くんパパと那くんと私の3人で、これからの事についての話し合い中。
……と言うより、那くんが海外に移住すると言う話なんだけど。
私と那くんは、那くんパパだって鬼じゃないんだから、せめて高校卒業するまでは待ってくれるよね!って想像しながら話してた。
「はぁぁぁああ……」
「さ…幸にこんな盛大なため息を吐かれる日が来るとは……!!」
「無理もねぇよな幸」
「本当に……ごめんね那くんパパ…はぁぁぁぁあああ……」
私もまさか、大好きな人のお父さんを目の前に、こんな盛大なため息を吐く日が来るとは思ってなかったよ…。


