那くんパパの苦しそうな表情を最後に見たあの日から2日が経ってる。


あれから那くんと那くんパパが一緒にいるところは見てないけど、大丈夫なのかな…?


那くんママは特に変わった様子もないし、もしかすると夢だったんじゃないかなって思ったりもしてるけど、流石にそれはないよね……。


那くんは何度か私と話し合おうとしてくれてるみたいだったけど、その度お母さんに呼ばれたり、朱ちゃんがベッタリで話せる状態じゃなくて。


お母さんに関しては故意的な気がしてならないけど、お母さんが春野家のことで何か知ってるはずないし。


かと言って何も知らないわけでもないんだろうけど……。



「幸、那、朱、今日の夕飯何がいい?」

「俺はハンバーグ」

「朱ね!朱ね!お肉がいい!」

「2人は肉…っと。幸は?」

「うぇっ!? あ、えっと、じゃあドリア!」



ボーッとしてた私は那くんと朱ちゃんに出遅れてしまった。


あぁ……しまった…。けど、特に食べたいものがあったわけでもないし、別にいいんだけどね。



「幸ちゃん幸ちゃん…」

「ん? どうしたの?」



ソファに座ってたはずの朱ちゃんが私の裾を遠慮気味に引っ張りながら言った。



「朱、幸ちゃんといたいな…」

「……えっ?」

「幸ちゃんとお兄ちゃんといたい…」



そう言って涙目になっていく朱ちゃんを私は優しく抱きしめた。


だって、こんな小さい子に気使わせちゃって…お姉ちゃんとして、お兄ちゃんとしてどうなのよ私たち……。



「ごめんね、朱ちゃん…」



心配してくれてるんだよね。ごめんね、私がしっかりしなくちゃいけないのに。