ニッコリと綺麗な微笑みを向けてくれる那くんママに心から感謝する。
オシャレに興味がないわけじゃないけど、ブランドや流行りの話題を出されるといっぱいいっぱいになっちゃうから。
本当は色々なブランドを見たい気持ちやアレもコレも欲しい!って思いもあるんだけど、それは大人になってからでもいいやって思ってる部分もあって。
だけどこういう風に私のことを考えて何かをプレゼントしてもらえるのって、本当にすごく嬉しいね…。
「……幸ちゃん…?」
「え?…朱ちゃん!おはよう! 起きたんだね」
「おはよ…う……」
和室から静かに出てくる朱ちゃんはまだ眠いのか目を擦りながら私の元へ来る。
「まだ寝ててもいいんだよ?」
私の言葉に少し考えてから首を横に振る。
「あのね、朱ね、お兄ちゃんと幸ちゃんと遊びたい…!」
「…ふふっ、ありがとう! それじゃあお兄ちゃん2階にいるから呼びに行こっか!」
「うんっ!」
私の言葉に嬉しそうに頷いた朱ちゃんの手を取り、2階に上がる。
朱ちゃんは普段両親としか一緒にいないから、久しぶりの那くんと遊びたいんだろうな…ふふっ、可愛い〜!!
1人ニヤニヤしてると朱ちゃんに「お兄ちゃんどこのお部屋?」と聞かれてしまった。
あ、えーっと……。
そう言えばどの部屋にいるんだろう?
2階と言っても3部屋あって。1つは私と那くんの部屋だけど、流石にそこに那くんパパといるはずはないだろうから…。


