リビングでは荷物を部屋において来たらしい那くんママ達が団欒中。


特に何をするでもなくソファに座り、年末特番を見る私。



「そうそう! 恵にお土産あるんだった!」

「えー!毎回悪いわね〜」

「ちょっと取ってくるから待ってて〜」



のほほんとした空気がリビングを舞ってるのは多分お母さんと那くんママのせいだと思う…。


決して嫌とかじゃないんだけど、年末っぽくないなぁとか、本当に今日で1年が終わっちゃうんだなーとか、そんな事ばかり考えちゃう……。



「はい恵!」

「ありがと〜! わっ!これあたしの好きなブランドじゃない!?」

「新作らしいわよ! 恵に似合う色だと思ったんだけど、どう?」

「ちょっと待って……んん!! 発色良いわね〜ありがとう!気に入ったわー!」

「良かった!」



お母さんの好きなコスメブランドを帰ってくる度に買ってきてくれてる那くんママは本当にマメで。お母さんと一緒に私もいつも感謝してる。



「そうだ、幸」

「へ?」



那くんママの声に振り返ると手招きされ、2人の元に行く。



「幸はブランドとか興味ないから大変だったのよ〜? はいコレ」



そう言って那くんママがくれたのは、見た目からも分かるくらい可愛いリップグロス。



「わっ…ありがとう那くんママ!!」

「どういたしまして」