「幸、ありがと。朱はソファにでも寝かせといてやってくれるか?」

「あ、ソファだと危ないから、和室にお布団敷いてもらってもいい?」

「そんな気使わなくていいんだぞ?」

「それは那くんパパもでしょ?」



そういった私を見て嬉しそうに「ありがとう」ともう一度お礼を言ってくれた後、慣れた手つきで朱ちゃん専用のお布団を敷いてくれた。


朱ちゃんは今小学2年生の8歳。


まだまだ可愛い時期だよね…。って思うけど、そのうちウザがられちゃったりするんだろうな……。


あぁ…そんな事考えてたら涙が出そうになってきた……!



「幸、なんで涙目?」

「那くん……私は近い将来朱ちゃんに"ウザい"とか"キモイ"とかって言われちゃうのかな…!?」

「そんな事俺が絶対に言わせないから安心して」

「うぅ〜ありがと〜〜!」



朱ちゃん…こんな私だけどどうか嫌わないでいてくれると嬉しいな…!!


小さな寝息を立ててる朱ちゃんを見てこっそりとお願いをした。


本当に可愛い……。


那くんは昔から朱ちゃんを溺愛してて。私も同じように、自分の妹みたいに溺愛してるけど、嫌われちゃったらショックを隠せそうにないな…。



「朱ちゃん、私のことずっと好きでいてね…?」



可愛すぎる天使の頬を撫でながら声に出せば代わりに那くんが応えてくれた。



「朱が嫌っても俺がずっと好きでいるから」


「……あ、ありがとうございます…」



赤くなってしまった頬をなんとか隠しながら、そそくさと和室を後にした。