ねぇ、那くん。


今年も沢山私の側にいてくれてありがとう。


去年も、一昨年も、ずっとずっと一緒にいてくれたね。多分、来年からもずっと一緒にいるんだと思ってる。


だけど、未来なんて分からないから…。



「那くん那くん」

「ん?」

「今年も1年ありがとうございました!」

「ふっ、急すぎ。こちらこそ、今年も大変お世話になりました」

「来年以降もよろしくお願いします!」

「うん、俺も、よろしく」



今みたいに2人で笑っていられる未来はどこまで続いてるのかな。


―――例えば今この瞬間に私がいなくなったとしたら? 那くんと離れなくちゃいけなくなったとしたら?


……どうしてかな…。どうしてこんな風に感じるんだろう……。


どこか言いようのない不安が頭をよぎる。



「幸? 体調悪い?」



那くんに声をかけられてから、自分が浮かない顔をしてたんだって気付いた。



「ううん、大丈夫だよ! 1年って早いなーなんて思ってただけだから!」


「まぁ、確かになー…」



そう言いながらカフェの天井を仰ぐ那くんに心の中で謝る。


ごめんね、変な心配かけちゃって…。


どうしてかな。なんでかな。


この不安は一体なんなんだろう……。


那くんママ達と久々に会ったらすぐなくなるよね…?


家に帰ってみんなで年を越せば、また笑顔になるよね…?


――それでも言いようのない不安はやっぱり、私を離さなかった。