「掃除、する?」

「……那くんの目には掃除しなきゃいけないように映ってるの?」

「したくないから聞いてんだけど」

「私もしなくていいと思ってるよ」

「ならゴロゴロするかー」

「んー…それもありだね…!」



那くんパパ達には毎年数回会ってるけど、ゆっくり会えるのはいつも年末年始だけで。


今年もきっと5日程しかゆっくり出来ないんだと思うけど、それでも会えるだけで、少しお話出来るだけで私は充分嬉しかった。



「那くん、何時頃ここ出ようか」

「準備できた時でいいんじゃない?」

「うーん…時間的にはあと2時間くらいしたら準備しなきゃだね…」

「それまでゆっくりするかー」

「うん」



いくら大晦日だって言っても、のんびりしすぎるのも良くないかな…。


どうしよう、何かした方がいいのかな…?


考えるだけで特に案が浮かぶでもなく。


――ケーキ……を作るにはちょっと季節外れだよね…。


だけど何か体を動かしたい気分。



「うーーーん………」



悩みに悩み抜く私を見てるらしい那くんの視線を感じながら考えるけど、いい案が浮かぶわけでもなくて。



「どっか出かけようか?」

「……うん!」



困り果てる私を見てそう言ってくれた那くんに笑顔を向けた。