―――那くんにぎゃ、逆プロポーズ…みたいなものをしてから数日が過ぎた今日で、もう今年も終わり。



「ふーゆー! 杏たちお昼頃着くらしいわよ!」

「んー…あ、はい」

「お迎えは幸と2人でいいの?」

「うん、大丈夫、多分」

「じゃああたしと逞は家のことしてるからね!」

「お願いします」



お母さんと那くんの話を聞きながら今日が大晦日だと改めて実感する。


河野家と春野家の間には、何かのイベントを一緒に過ごすっていう決まりがあって。


もちろん大晦日だって例外じゃないみたい。


決めたのは私たち子供じゃなくてお母さん達なんだけど…。



「杏さん達に会うのっていつぶりだろう…?」

「え、去年会ったよな?」

「えっ………会ったかも……」

「幸…大晦日ボケ…?」

「何それ…那くんの中で流行ってる言葉?」

「今口をついて出てきた言葉」

「お正月ボケみたいですね…」



ソファに背中を預けてのんびりしてる私と那くんを見ていたらしいお母さんは、私たちが暇だと感じたらしく、掃除の手伝いを要求してきた。



「幸!那! 暇なら自分たちの部屋掃除してきなさいよ!」

「「……はぁーい」」



渋々腰を上げた私たちは自分たちの部屋に向かった。


――……私が普段から掃除してる分あんまり汚れてないのに…。


どうしよう、掃除してるフリして寝ちゃおうかな…。