ぎゃ、逆、プロポーズ……。


聞きなれない言葉だけど、その言葉の意味くらいなら私にだって分かる。


逆、プロポーズ……!



「やっ、あの、そうじゃなく、くてっ!」

「"く"1個多かった?」

「えぇ!? わ、分かんないけど…」

「落ち着け幸」

「さ、さっきまで落ち着いてたよぉ…」

「ははっ!」



那くんが変なこと言うからじゃん…もう…。


真っ赤になってるであろう自分の頬を左手でそっと触ってみた。



「熱い…」

「照れた?」



独り言のはずだったのに、那くんに拾われてしまった言葉はどこに流せばいいんだろう。



「ふ、那くんのせいだからね!」

「大丈夫。何があっても幸に逆プロポーズなんてさせねぇから」

「へっ?」



どういう意味だろう、それ…。



「絶対、俺から幸にプロポーズするって話だよ」

「〜〜〜っ!!」



耳元で囁かれた甘い言葉は私自身をクラクラにさせる。


相手が那くんってだけで既にクラクラしてるのに…私の命もつかな…。