「それじゃあテスト返して行くぞー」

「!?!? 何それ聞いてない!!」

「はいじゃあ三郷(みさと)ーうるさいお前からなー」

「はぁぁあああ!?」



先生の言葉にいやいや動く月を見ながら私は小さく笑った。


そして席に戻ってくるや否や白目を剥くだなんて……テストダメだったんだね…。



「うえぇぇえええんっ! さぁぁやぁぁあああ!!!」

「ぐえっ! よ、よしよし。ちゃんと教えるから復習しようね?」

「うんっ…ぐすっ……」



落ち込んでる月の頭を撫でていた私の名前が呼ばれ、仕方なく先生の元へ行く。


…悪くない点数だからいいや。


安心した私を見た月の顔が「こいつ点数良かったな」って言ってる気がするのですが……。 若干怖いのですが…。



「星くん、どうだった?」

「うん、悪くはなかった」

「100?」

「流石にそれはないな」



小さく笑う星くんだけど、ごめんね、普通に点数見えてるからね。 97って見えてるからね。


それはほぼ100って言うんだよ…星くん……。


羨ましいけど、別に1位を目指してるわけじゃない私がそこまで気にしても仕方ないなって思う。


戻ってきた横の席の那くんを見ればいつもの如く100の数字が見えた。


………本当になんでも出来ちゃう人なんだから…。