「俺も視野狭いから大丈夫だろ」
「っ!!」
不意に聞こえた声に驚きながら振り向けば、お風呂の準備をしてくれてた那くんがいて。
大丈夫だろってそう言ってくれた言葉を思い出しながら、それでも少し不安な私はどうすればいいんだろう。
「……那くんは…私でいいの…?」
「……それはどう言う意味で言ってんの…?」
「………」
本当はいつも思ってたから。
那くんみたいにカッコよくて、優しくて、料理も勉強もできるような人が、私みたいな子を彼女にしてていいのかなって…。
「私、自分に自信ないから…」
「俺は、幸じゃないと嫌なんですけど」
「それは…どうして……?」
那くんを信じてないわけじゃない。 本当に、心から大切だと思ってるからこそ、知りたいだけなの…。
きっと私はいつか、那くんの重荷になってしまうって、そんな気がしてならないの。
私って結構ヤキモチ焼きだし、無意識に束縛しちゃってるんじゃないかとか、本当に色々不安なの。
だから、那くんの気持ちを教えて欲しいと思ってる。
「俺が幸のどこが好きか知ってる?」
「えっ…しら、ない…」


