お母さんの言葉で4人同時に時計を見上げた。
「嘘だぁ!?やばい!帰るよ星!」
「まじか…悪い、幸」
「き、気を付けて帰ってね!」
「また来いよ!」
一斉に喋る私たち4人を見てお母さんが楽しそうに笑ってる。
冷蔵庫から取り出したお酒を開けながら、「いつでもいらっしゃーい!」なんて呑気に言ってるけど。
玄関の前までお見送りに行った私と那くんに月と星くんが笑いかけてくれた。
「今日はありがと、幸!」
「流石の那にも料理だけは負けたくねぇな…」
「よし星、今度勝負するか?」
「……受けて立つ」
「本当にいつでも来てね、2人共」
寒空の下、勉強のことなんて忘れて笑い合える日が1日くらい合ってもいいなって、思える日だった。
本当に楽しくて、卒業しても私たち4人はずっと仲良くて、月に1回くらいみんなで電話したりするんだろうなって思った。
「ねぇ星、なんかこの2人新婚さんみたいじゃない?」
「あ、それ俺も思った」
「あはっ、やっぱり! じゃあまたね! 新婚さん?」
「……〜〜っ! ひ、ひかるっ!!」
「さぁさぁ奥さん、そろそろ中に入りますか?」
「ふっ、ふゆくっ…! からかわないでよ!」
「あははは!! じゃあまた明日ねー!」
帰っていく2人の後ろ姿を見送りながらも私の頬はまだ熱を帯びてるような気がした…。


