頭を抱える月と面倒くさそうに笑う星くん。


真顔で、しれっと恥ずかしいことを言う那くんに対して星くんから2度目の質問。



「那って、パーフェクトヒューマン?」

「ふはっ、何その質問!」

「分かってるわよ。幸にとってはパーフェクトヒューマンとかって言うんでしょ?」

「あはは! 那くんはいつだって完璧だよ!」



声を出して笑う私を見て呆れた、と小声で呟く月。


だって本当なんだもん。 那くんは私にとっていつも完璧で、カッコよくて、優しくて。


那くんみたいな人が私と付き合ってくれてるだなんて、本当に夢のようだよ!



「はぁ…惚気けは聞き飽きた」

「振ったのお前だろ?」

「ここまで鬱陶しいとは…」

「お前と月には負けるけどな」



2人の会話を聞いてる私と月は「お互い様だよねー」って話してた。


面倒くがられても、呆れられても、私と那くんの事を見守ってくれる月と星くんには感謝してるよ。


むしろその倍、私と那くんも月と星くんを見守ってられたらな、なんて思ってるの。私は、だけど。



「たっだいまー!」

「えっ!? あ、おっ、おかえりなさいっ!」



勢いよく開いたリビングの扉の向こうから帰ってきたお母さん。


遅くなるって言ってたのに、そこまで遅くなかったじゃん! 那くんにご飯作ってもらった意味……。



「あれ、月と星じゃない! 久しぶりね!」

「お邪魔してます」

「あー!恵さん!お久しぶりですー!」

「お母さん今日遅くなるって言ってたのに」

「だってもう9時よ?」

「「「9時???」」」