星くんは2人の言いたいことが分かってるみたいだけど、私はどうしてご機嫌斜めなのか分からなくて。


あれ、私なにかしちゃったのかな…?


少し不安になっていた時だった。



「さーやー! 星なんて放っておいてあたしに勉強教えてよー!」

「えっ、ちょ、月!?」

「月……お前には俺が教えてんだろ?」

「那じゃ頭に入るもんも入らないのーっ!」

「ちょ、月!那くんも!抑えて!」



喧嘩するほど仲がいいって言うし、実際2人は本当に仲良いから私も本気で怒ったりはしないけど、今日はダメ!



「月、いい? 私と那くんは月の為に教えてるんだよ?」

「………はぁい…」

「これからは私が教えるけど、テストが終わるまで那くんとの喧嘩は極力抑えるように! 分かった?」

「はーいっ!」

「よし! それじゃあ早速やろっか」



そう言ってすぐさま月と那くんを剥がした私は、那くんと席を交換した。



「あれ、幸隣に来てくれないの?」

「どっちでもいいよ?」

「ダメ。幸は俺の隣」

「〜や、やっぱり隣に行こうかな!」