「俺、海外行く」

「えっ!?」



驚いたあたしを見てニヤリとした星は、すぐに言葉を紡ぎ出す。



「俺が自分の夢叶えたら、月を支えに飛んで行くから。それまで、浮気すんなよ?」

「……っ、バカね。あたしは星しか好きになれないのよ?」

「ふっ、俺も、月しか愛せねぇ」

「待ってるから、絶対来てよね」

「俺が行ったら男と住んでましたとかナシだぞ?」

「大丈夫。あたしが住みたいのは星だけよ」



あたしは生まれてからずっと、自分は幸せ者で、大切な親友や信頼できる友達に恵まれてきたと思ってる。


……だけど、今日初めて知った。


幸せが溢れると、涙が出るんだね。


ねぇ、星。 あたしを幸せにしてくれるのは星で、星を幸せにするのはあたしじゃなきゃ嫌。


そうじゃないとあたしは幸せだなんて思えないし、星がいない世界なんて退屈でしかないと思うから。


幸がいて那がいて、星がいる。


こんなキラキラしてる世界だから、あたし達は巡り会えたんだと思うの。