「ちょっと幸ぁ〜! 掃除終わったのー?」
………人遣い荒くっておちゃらけてて…。
本当に凄いのかなぁ…って思わずにはいられないよね…。
「もう! お母さんも手伝ってよ!!」
「お母さん今から夕飯の準備しなくちゃいけないんですぅー!」
「私がするから! 選手交代!!」
「却下! 幸にキッチン立って欲しくない!」
「ひ、酷い……!」
そ、そりゃあ確かに私は料理なんて出来ないけど…! そこまで言うことないのに…!!
―――ムッとしながら部屋の片付けを進めていると、パーカーのポケットに入れてたスマホが鳴ってることに気付いた。
電話の着信を示すライト。
着信の相手は大好きな那くん。
「も、むぉしもひ…っ!」
『ふっ、噛みすぎ』
「こ、こんばんは…那くん……」
『ん、こんばんは。 今何してんの?』
「えっと…部屋の掃除だよ」
『……俺、来週からお世話になるから』
どことなく言いづらそうな那くんの声になんとなく勘づいてしまう。
「……ねぇ那くん。今回の同居の話って、半ば強引に進められたんじゃない…?」


