そんなの、星らしくないじゃん…っ……。
咄嗟に俯いたあたしの頭に、大切で、誰より好きな人の温もりが触れたのが分かった。
顔を挙げないあたしの頭上から、愛してやまない人の声が降ってくる。
「…確かに俺にも夢があるよ。 でもそれは、月と出会ったから。月がこの先俺の側にいないなら、俺の夢なんて意味無いんだよ」
「……嘘つき。あたしと出逢う前から目指してた夢でしょう!?」
「お前と出会うまでは趣味でしかなかった。けど、お前と出会って、初めて打ち明けた時に、これからもお前にって思ったんだよ」
「……バカじゃないの!? それでも!あたしなんかの為に夢を捨てようとしないで!!」
「馬鹿はどっちだよ……"あたしなんかの為"? ふざけんな。 俺がどれだけお前を好きか教えてやろうか? お前がいない世界なら今すぐぶっ壊してやれるくらい好きなんだぞ」
「……っ……なんで…そんな事っ…」
バカだ……やっぱり星はバカだ…っ…。
どうしてこんなにもあたしを好きでいてくれるんだろう……。
ずっと。付き合って4年も経つのに、自分の夢を秘密にしてたんだよ…?
こんな最低な女、さっさと捨ててくれればいいのに……っ…。


