父さんの言葉を聞いた星は、切れ長の瞳を大きく見開いた。


あたしもね、まさかここで、星の名前が出てくるとは思わなくて。


度肝を抜かれるって、こういう時に使うんだろうなって思ったのを覚えてるよ。


話す声が自分でもハッキリと分かるくらい震えてる。


泣きたいわけじゃないのに。自分の意思を星に、幸と那に伝えるだけなのに……どうしてこんなに悲しいの…。



「月、俺は…っ」

「大丈夫だから!」

「……」

「あたしは、星の将来の夢知ってるから! 着いてきてとか、夢を諦めてなんて言うつもりもない!」

「……俺は、月がいないとやっていける自信ねぇよ…」

「っ、!」



星の言葉に、思わず涙が溢れた。


だけど同時に、どうしてそんな事言うんだろうって、バカなんじゃないのっても思った。


自分の夢を持ってるくせに。 星は、やりたい事の為に頑張ってるじゃん……。それなのに、どうして簡単に諦められるみたいに言うのよ…。