我が道を突っ走る月をフォローして、見守って、支えて。 それが星くんの愛し方で、愛情表現だと思ってた。 星くんの性格から考えたって、月の意見に反対はしたとしても"嫌"だなんて言うようには思えない…。
星くん、一体どうしたの?
心配になって何か知ってるかもしれない那くんを見たけど、那くんも首を傾げるだけ。
「……別に嫌だなんて思ってないけど…」
「けど、何?」
「お前、英語以外の教科出来ないだろ」
「那と幸に教えてもらうもん」
「バイトだってどうせ覚えらんねぇくせに」
「意地でも覚えてやる」
「………そこまでしたい理由って、何?」
「…………」
月がバイトをしたくて堪らない理由は、私も那くんも、きっと星くんだって知らない。
現に私は今日初めて、月がバイトをしたがってる事を知ったんだから。
いつも月の行動には必ず理由があって。今回は私たち3人さえその理由を聞かされてなくて。
だけど、星くんにも言ってないのはどうして?
――……月、星くんに何か隠してるの?
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