しばらく帰ってこないはずの月の話を星くんにするなら、きっと今しかない。
「星くん。最近また増えたよね、月」
「え?……あぁ、そうだね」
「どうすんだよ?」
「那まで何?」
「月の事。このまま別れんの?」
「こんなくだらない事で別れると思ってんの?」
「思ってないけど念のため」
くだらない事って、本人が思ってるならどうしてそこまで意地を張っちゃうんだろ?
星くんが月を心配な気持ちは本当によく分かるつもり。 だって月は女の私から見てもすっごく美人さんで綺麗だから。
だけど誰より月を信じてるのは私でも那くんでもなく、星くんだと思ってる。
だからこそここまで頑なになってる意味が分からないの。
「月がいない間に本当の理由、聞かせてよ」
「………そういうとこ、ホント鋭いよな、幸って…」
「え?褒めくれてる…の? ありがとう?」
「すっごく天然なくせに……」
あれ? 私、褒められてる? どちらかと言えば貶されてる感じがしたような……。気のせいだよね……?


