顔を見合わせていた私たちの言いたい事はきっと同じ。 今回はどちらの味方も出来ない。


そう思いながら2人の元へ歩みを進める。



「お、おはよっ!月(ひかる)!」

「あぁん!?…って、幸ぁー!!」



機嫌が悪い月は今にも噛み付いてきそうな勢いだったのに、私だと分かった途端泣き付いてくる。


よ、よしよし……。


チラリと横を見れば、那くん達が挨拶を交わしているところだった。



「よっ、星(せい)。朝から大変だな」

「……那。そう思うなら慰めてくれる?おはよう」

「言い忘れた。俺が慰めれるの幸だけだった」

「……機嫌悪いのに追い討ちかけてくるのやめてくれる?」

「あ、あはは……おはよう、星くん」

「おはよう、幸…はぁ……」



う、わぁ…。 朝から盛大なため息…お、お疲れ様です……。


私に泣き付いてる月を前に口には出せないから、心の中に閉じ込めておく。