正直に言うと私は、これから先も那くんと一緒にいられるならなんだっていいと思ってる。
那くんが大好きだから、一緒にいたいし、側にいてほしいと思ってる。
それを言っちゃうと困らせてしまうことは重々承知だから言えないけど……。
「あ、」
「え?」
考えながら歩いていた私の耳に届いた那くんの声。少し先を見遣る那くんと同様に視線を動かせば、そこには賑やかなカップルが1組。
あれ、今日は2人共少し遅い……?
いつもなら私より早く教室に来てるはずだけど。今日は何かあったのかなぁ?
「だから、あたしはバイトがしたいんだってば!」
「お前は他にやる事あんだろ」
「両立くらいあたしにだって出来るわよ!」
「今まで出来た試しは? ねぇだろ?」
「今回は絶対出来るの!!」
「そんな証拠ないので無理です」
「はぁー!?」
「「………」」
2人の会話を盗み聞きしながら私たちは思わず顔を見合わせた。
だって、正直どちらの味方も出来そうにないんだもん。